takanotebook

2021年夏、ようやく本になりました。

ということで、「コスプレ」するようになった社会的背景のヒントとして、合わせてチェックして欲しいな、と思ったモノたちを以下にウィジットしてみました。




その中にある『萌えるアメリカ 〜米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか』は、先日サンフランシスコでお世話になった「new people」の運営元のビズピクチャーズ(小学館の100%出資子会社)の社長、堀淵清治さんが07年に上梓されたものです。直前にamazonで購入し、行きの飛行機の中でだーっと読みました。

堀淵さんは、アメリカにMANGA(マンガ)を広めた先駆者の方で、75年に渡米。80年代、90年代、そして00年代と、時代のダイナミズムとともに日本文化〜カルチャーがどのようにアメリカへ浸透していったかを、そのトッププレイヤーでありながらも客観的にデータとともに紹介しており、とても楽しく読めました。


アニメやゲームのキャラクターを「まるごとマネる」ように、読者モデルやタレントの服や小物だけでなく、ヘアや顔のパーツに至るまで「マネる」のが上手になったニッポン。文京区の住宅街にある銀行の窓口の女性がふつうにまつ毛のエクステンションをする時代です。そうそう、最近の定点観測などのインタビューでは、「ハーフ顔になりたい」と言う若者が増えています(某経済紙のデスクに提案したのですが、却下されてしまいました、残念)!

そんな日本のファッション、カルチャーが成熟した背景には、90年代〜00年代を通してブーム、定着化(といってもいいと思う)した、欧米におけるアニメやMANGAの影響が大きいことはいうまでもありません。最近のストリートファッションのトレンドとして、レギンスやタイツなどで足をにょっきり出し、ごつめのボリューム感のあるブーツを履くシルエットなどは、アニメの主人公のシルエットにも似ています! 

そして、お目にかかった際、堀淵さんは、「日本のポップカルチャーは混沌とした面白さが特徴」とおっしゃっていましたが、個人的には、その<混沌さ>が2009年現在、世界共通の感覚になりつつある点も気になります。

それにしても、今回の出張で堀淵さんにお目にかかっていなかったら、増田セバスチャンさんにインタビューをすることにはならなかったかもしれないと思うと(その前にショップの取材はしていますが)、巡り合わせだなあ、と思ったり。00年代プチバブルが牽引したファッションセレブブームから、リセッションのおかげで<カルチャー>へと軸がシフトしていることを確信しました。

90年代リバイバルの兆しをびんびん感じた増田セバスチャンさんへのロングインタビューは、「アクロス」にて今月末にはアップする予定です。